【空知地域の聴き取りレポート1】

【空知地域の聴き取りレポート1】

▶︎新型コロナウィルス感染症に対して、北海道が緊急事態宣言を発令した後に3週間の中で、空知管内の商店や温泉など聴き取り訪問をした状況、地先の声や今後取り組んでいくべき方向性として私自身が感じたことを業種別に掲載させていただきます。

(訪問先と件数)
▶3月15日奈井江町・美唄市・三笠市・長沼町・由仁町 ▶16日沼田町・深川市 ▶19日栗山町 ▶20日浦臼町・新十津川町・赤平市・滝川市 ▶21日月形町・新十津川町
▶22日妹背牛町・雨竜町・新十津川町
▶商店18、飲食店5、宿泊施設2、温泉4、農家1、畜産1、道の駅3

1.飲食店・商店・商工会関係

○特に飲食店の被害が大きいと感じる。緊急事態宣言直後は誰もお客が来なくなり、前年度に比べて90%減といったところもある。また、観光産業激減において、バス会社は100%減となっているところもあり、特別な対応策が急がれている状態である。国や道が提示している融資政策や雇用に関することは、大きな企業は対応できるかもしれないが、中小企業や家族経営などにはなじまないという声も聞こえる。現に、日本政策金融公庫などは対応が追い付いていなく、打ち合わせするにしても地元では出来ない状況であると連絡を受ける。無利子、無担保と言っても、返金するのは同じこと、後継者がなかなか見つからない地元企業のためのさらなる支援策がほしいと求める声も多い。

○都会は多くの飲食店があるが、田舎は一軒の飲食店の存在が大きい。そのことを十分に理解している市町村の対応はとても早いと感じている。飲食店を支援しようと、まちの飲食店の営業状況がわかるチラシを配布することや飲食店限定のクーポン券やプレミアム付き商品券を発行するなど先駆けて取り組む市町村も出てきた。

○今、あらゆる団体、組織が職員の外出自粛を促しているところもあると思いますが、飲食店の一番の稼ぎ時は年末から歓送迎会が多い春にかけて。その時期にお客が入らないとなると経営は本当に厳しいものとなる。4月の予約も全然入っていないところが多い。新型コロナウィルスは、あらゆる業界に悪影響を及ぼしている状態だと思うが、どのように各まちの飲食店、商店を守っていくことができるのかということを是非意識して考えてもらいと願う。

○オリンピックの延期に合わせて各地の夏祭りまで中止にしようかといったムードが高まってきた。地域経済において長期的なダメージが続くことが予測される。
その中で、どのような対策を持って各地域の商店や飲食店を守っていくことが出来るのか。と、いう課題が継続する。今空知の中では、飲食店が数軒しかないまちもある。この数年インバウンド政策が進み、市外観光客が多かった地域やお店は今とてもお客の落ち込みが厳しい状態にあると思う。逆に空知ではこれまで同様に地元が地元の店を守るといったことを大切にした戦略が必要であると思うし、今回のことで十分にその理解が深まったのではないだろうか。資金繰りの支援も必要だが、人を回す支援策も同様にお願いしたいと話していた店主の声にどう対応すべきかと考えていたが、そのまちだから出来る支援策を今こそ考えていくべきじゃないかと感じている。

○風評被害を恐れている人が多く、もし、自分の身近で、もし自分の職場でコロナが発生したらと思い、びくびくしている人も多いということです。でも、そんな時だからこそ、みんなで支え合おうとか、コロナとみんなで戦おう!といった心のケアの対策もしてほしいという意見がありました。このことに関しては私もとても共感するところでありました。
もう、数日で4月新年度です。子どもたちも新学期が始まってきますが、何かみんなで共通認識を持って出来るアクションワードやスローガンを掲げるとか、地域で支え合う意識を高めるムードをどう作っていくか、お金だけではなく、気持ちを高めることをどうカタチにしていくのかが問われていると強く感じています。

以上から

空知管内の飲食店を支えるキーワードとして

①地元が一丸となって支える対策づくり
②田舎にあった資金支援と人の流れをどう作っていくかの対策づくり
③「心のケア」人の支え合いを大切にする対策作り

と、なりました。状況が深刻さを増す中でその時々の更なる対応が求められてきていると思いますが、引き続き、情報収集と発信、対策の検討と行動に取り組んでいきます。